ブリーダーのアレックスはミセス・ヘッパーの紹介もあり、最初から好意的に対応してくれた。 それでもクリアしなければならない問題(日程の調整、輸送、注射、証明書、検疫などなど)は山の様にあった。選択権はアレックスにあるので、粘り強く説得をくり返した。何通のメールを交わしたか判らないが、その過程でお互いの信頼関係は出来上がったと思う。
ポルトガルは日本からの直行便がない。空輸する手立ても見つからなかったので、結局私がマーケズを迎えに行った。アレックスは私がイメージした通りのブリーダーだった。趣味としてマーダスの系統を中心に、いつか自分のラインを確立しようと、真剣にブリーディングに取り組んでいる。気が遠くなる様な時間とプロセスを覚悟している。


彼の家で数日間一緒に過ごしたが、ブリーダーの大変さを実感させられた。日常の犬たちの管理や世話、週末のドッグショーに加え、膨大な量のペーパーワークがある。更に内外のブリーダー・ネットワークのEメールなどなど。理屈ではなくまさに好きだからこそ出来る事だと思う。

彼らの興味と関心は次にどれだけ良い=自分の理想に近い犬を作出できるか?! に尽きる。仔犬は手許に残すか、海外を含めたブリーダーに引き取られる。実益もあるだろうがせいぜいコストをカバーする程度だと思う。
ちなみにインターネットとEメールによって、ブリーダー間の情報交換は驚くほど発達している。


マーケズの父親“マックス”は、すでにオランダに帰っていて見れなかったが、母親の“ポピー”と異父兄弟のマーダスたちと、アレックスの広大な“ファーム”で遊んだ。雨の中だった・・・。
兄弟の何頭かは海外(アメリカ、オランダ、イタリア)へ行ってしまう。私の希望はブラックのショークオリティの男の子だった。女の子を希望すれば難しかったろうし、イエローも早くから決まっていたと言う。アレックスは約束通り、私が希望した“マーケズ”を残しておいてくれた。

アレックスとは、マーケズを日本に連れてきた後もメールで連絡を取り合っている。        このホームページを開くにあたり、写真使用の許諾を得るために、マーケズの父親、マックスのオーナーであるオランダのドルフにも連絡を取った。彼も非常に好意的に対応してくれた。


その後もマーダスのミセス・ヘッパーから、折に触れアドバイスを頂いている。メーリングリストに名前を入れて貰い、様々な情報を送って貰っているが、特に写真は参考になるので有難い。

たまたまマーダス系統の仔犬を育てることになった事で、ヨーロッパの素晴らしいブリーダーたちと知り合うことが出来た。犬を飼う・育てる経験には、いささか自信を持っていたが、彼らの豊富な知識と経験にはいつも感心させられる。ブリーダーとのコミュニケーションは仔犬を飼う(買う?)前よりも、その後の方が遙かに大切だと思う。メールや写真のやりとりで日本人でも欧米人とあまり変わらない感覚で犬を飼っている事が判って貰えたと思っている。

文化的な違いや日本人云々と言うよりは、見ず知らずの人間が手塩にかけた仔犬をどう扱うか判らない不安が大きかったと思うし、又勝手にその子孫を増やされたくないのだと思う。更に仔犬は問題なく扱われると判っていても距離感は変えられないから、たぶんもう会えないだろう彼らの寂しさも理解できる様になったと思う。

マーケズは”ワールドクラス”のラブラドールだと勝手に思っている。それはアレックスがMARDAS X MARDASにこだわり、父親のMAXをオランダから連れてきた結果であり、さらにその裏にはマーダスのミセス・ヘッパーの40年の積み重ねがあった。そしてその先には、戦前から続く(続いた)”ブレアコート”、”バリーダフ”、”サンディランズ”など有名犬舎の熱意やこだわりがある。私は普通に育てただけである。